【介護職】デイサービスと訪問サービスの違いや業務内容を解説

自宅で過ごしたいと思う、多くの高齢者に人気の高いデイサービスと訪問サービス。

働き手にとっても素晴らしいお仕事であり、高齢者のサポートだけでなく、普段介護をする家族の負担も軽減できる喜びを感じられるでしょう。

そこで今回は、求人件数の多いデイサービスと訪問サービスについて、それぞれの違いと仕事内容を働く女性の目線で紹介します。

介護職に就きたいと考える方は、ぜひ仕事選びの参考にしてみてください。

デイサービスと訪問サービスの違い

まずは、デイサービスと訪問サービスの特徴を詳しく紹介します。

デイサービスとは?

デイサービス(通称:介護保険サービス通所介護)とは、食事、入浴、トイレ、リハビリ、レクリエーションなどのサービスを提供している日帰りの事業所です。

利用時間は施設によって異なりますが、9時ぐらい〜17時ぐらいまでの開放が一般的でしょう。

利用者が利用したい時間帯をあらかじめ予約し、その時間に合わせて介護職員が自宅まで迎えに行くので、家から施設までの距離がある高齢者も利用可能です。

リハビリでは、身体機能の維持と向上を目指し、利用者の生き甲斐となるような楽しいレクリエーションも数多く用意されているのが特徴。

なお、近年ではデイサービスの需要が高まっていることから、事業所によってサービス、特徴の多様化が進んでいるようです。

<デイサービスの特徴例>

・趣味特化型:エステ、ネイル、フラワーアレンジメントが楽しめる

・カジノ特化型:カジノのようなギャンブルが模擬的に楽しめる

・料理特化型:料理教室感覚で料理を楽しめる

・ゴルフ特化型:ゴルフの練習が楽しめる

これらは身体機能改善を目的に行なわれていますが、想像してだけで楽しそうですよね。

他にも、認知症高齢者のみを受け入れる「認知症対応型デイサービス」といった事業所も存在しています。

また、普段在宅で介護をしている家族の負担を減らし、介護ノイローゼを防ぐ目的で、日中利用だけでなく宿泊もできる事業所が少なくありません。

利用者は、主に要介護1~3の認定を受けた高齢者が多いですが、要介護1~5、要支援1~2の方も対象としています。

※デイサービスは「デイケア」と間違われることがありますが、デイケアはリハビリに特化した施設なので混同しないように注意しておきましょう。

訪問サービスとは?

訪問サービス(訪問介護・ホームヘルパー)とは、訪問介護員が1人または2人で利用者の自宅に訪問し、入浴、排泄、食事等の身体介護に加え、掃除、洗濯、料理などの生活援助を行うサービスです。

訪問サービスの対象者ですが、基本的にはデイサービスと同じく65歳以上の高齢者で要介護1~5の認定を受けている方。地域によっては、要支援1~3の方もサービスを受けられます。

さらに、特定疾病と呼ばれる16種類の病気が原因で介護を必要とする方であれば、40歳から利用可能であり、対象者が幅広いのも訪問サービスの特徴でしょう。

なお、訪問サービスの仕事をするためには、原則以下いずれかの資格が必要です。

・介護福祉士

・介護員養成研修

・介護職員初任者研修

・介護職員実務者研修

・居宅介護職員初任者研修

1人で訪問する機会が多いため、利用者とその家族が安心して介護を任せられるように、「信頼」の証として資格取得が必要なんですね。

ただし、現在は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、「新型コロナの影響により人材を十分に確保できないときは、ホームヘルパーの資格を持っていない職員でもサービスを提供できる」との規定が明らかにされています。※介護経験者であることが条件

デイサービスと訪問サービスの業務内容

先ほどのお話をまとめると、デイサービスと訪問サービスの特徴は以下の通り。

・デイサービス:事業所に来られる高齢者へ向け、介護やレクリエーションを行う

・訪問サービス:ヘルパーが利用者の自宅へ訪問し、介護や生活援助を行う

どちらも、多くの時間を自宅で過ごしたいと思う高齢者と、家族のニーズに答えたサービスですが、その業務内容にはどんな違いがあるのでしょうか。

デイサービスと訪問サービスの仕事内容をみていきましょう。

デイサービスの業務内容

デイサービスの主な業務内容は、以下の通りです。

・バイタルチェック

・入浴介助

・排泄介助

・食事介助

・口腔ケア

・レクリエーション

・リハビリサポート

デイサービスでは、利用者の血圧、体温を測り健康チェックをした後、大浴場や機械浴の介助、食事、トイレ、排泄の介助などを行うのが一般的。

できる限り自立した生活を目指したサポートが特徴的ですね。

なお、リハビリでは、関節可動域を広げる運動、歩行訓練、口の体操などを行い、レクリエーションでは、身体を使ったジェスチャーゲーム、作品作成、カラオケなどを行なっています。

訪問サービスの業務内容

次に、訪問サービスの主な業務内容は以下の通りです。

・バイタルチェック

・排泄介助

・食事介助

・入浴介助

・更衣介助

・体位変換

・移乗介助

・掃除や洗濯、料理などの家事

・買い物

・爪切りや耳垢掃除

・病院の付き添い

訪問サービスでは、身体介護に加え掃除や洗濯などの生活援助も行うので、デイサービスに比べ仕事内容が多岐にわたります。

なお、実際の業務では利用者や家族の指示に従い行動するので、訪問先によって業務内容が大きく変わることも珍しくありません。

一般的には、食事、入浴、排泄の他に、食事の準備、片付けといった仕事が多いですね。

デイサービスと訪問サービスで働くメリット・デメリット

では最後に、デイサービスと訪問サービスで働くメリット・デメリットについて確認しておきましょう。

デイサービスのメリット・デメリット

デイサービスのメリット・デメリットは以下です。

<メリット>

・身体的負担が比較的少ない

・介護をする家族からも感謝される

<デメリット>

・利用者の入れ替わりが早いので慣れるまでに時間がかかる

デイサービスの対象者は、介護認定度の低い人が多いため、一緒にレクリエーションや食事を楽しめる反面、利用者の入れ替わりが多くて覚えることが多くあります。

長期間のお付き合いで利用者との関係を深めたい方には、不向きかもしれません。

訪問サービスのメリット・デメリット

対して、訪問サービスのメリット・デメリットは以下です。

<メリット>

・責任感のある仕事ができる

・利用者とその家族から信頼される

<訪問サービスのデメリット>

・他人が自宅に入ることを嫌がる神経質な利用者もいる

訪問サービスでは、利用者やその家族と信頼関係を築いていきながら、身体介護から生活援助まであらゆるサービスを行うのが特徴なので、大きなやり甲斐を感じられます。

なお、利用者の中には自宅に他人が入ってくることを不快に思う方もいるので、相性が合わない時は上司に相談してみてくださいね。