体験談:看護助手の仕事で大変なことや悩みごと

無資格・未経験でも医療現場で働ける「看護助手」ですが、とても大きなやりがいを感じられ、人の役に立ちたいという方にはぴったりのお仕事です。

しかしなんとなく、「大変そう…」と感じており、仕事を始める前に知っておきたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回は、地域医療型病院で4年間看護助手経験のある筆者が、看護助手の仕事で大変だったことや悩んだことについての実体験を紹介していきます。

筆者は全くの未経験で看護助手の仕事に就いたので、これから看護助手の仕事を始めようと思っている方は特に参考になるのではと思います。

是非最後まで読み進めてみてくださいね。

看護助手の仕事で大変なこととは?

まず、看護助手の仕事で「大変だ」と思ったことについて紹介していきましょう。

①介護初心者には初めてのことだらけ!

未経験で看護助手の仕事に就き、まず1番に大変だと感じるのは、やはり介護業務ではないでしょうか。

例えば看護助手が行う介護業務は以下のようなものがあります。

・オムツ交換

・排泄介助

・食事介助

・衣類の着脱介助

・入浴介助

・清拭(体を拭くこと)

・検査室などへの移送

初心者からすれば、これらひとつひとつに慣れていくのは簡単ではありません。

衣類の着脱ひとつとっても、子供を着替えさせるのとはわけが違いますから、コツを掴むまでは難しかったですね。

一見簡単そうに感じる食事介助も誤嚥を起こさないよう配慮が必要ですし、車椅子への移乗なども練習が必要です。

ただしこれらは慣れるまでが大変なだけであり、先輩や看護師からしっかりと指導してもらえるので、「未経験だから」と言ってそこまで心配する必要はないでしょう。

また、介護に慣れていない人からすれば、大人のオムツ交換や排泄介助など、要は「下のお世話」に抵抗を感じることもあるかもしれません。

②体力仕事である

上述した業務内容からお分かりの通り、看護助手の仕事はそれなりの体力が必要です。

大人の体重を支えなければならないのはもちろん、基本的に立ち仕事であり、さらに何度もかがんだりしゃがんだりするので、身体に負担を感じることがあります。

腰痛に悩まされる人が多く、それを理由に退職してしまうケースも珍しくありません。

介護業務に慣れてきたら負担は軽減しましたが、最初のうちは「退勤時にはクタクタ…」という日が続いたのを覚えています。

しかし、体力仕事であることをデメリットだと感じるか、メリットだと感じるかは考え方によるのではないでしょうか。

筆者の場合は看護助手の仕事のおかげで日頃の運動不足が解消されましたし、体力的な疲れには不思議と心地よさを感じていましたね。

③介護業務以外に覚えることが多い

看護助手の仕事は、患者のケア(介護業務)だけではありません。

物品の補充や機材の管理、医療器具の消毒など、医療現場ならではの業務も多数存在します。

なんとなく想像はつくでしょうが、医療現場で使われているものはとても種類が多く、それらを覚えるのは大変です。

医療現場では患者の命がかかっている分、スピードが重視されるので、「〇〇を持ってきて」などと頼まれたときにすぐに対応できるようになっておかなければなりません。

また、多少の医療知識を身に付けなければならないのも、医療現場未経験からすれば大変でしょう。

看護助手の仕事は、毎日が勉強の連続なのです。

④患者が急変することがある

病院で入院・受診しているのは基本的に、体調が悪かったり、ケガをしていたりと、何らかの疾患を抱えている患者です。

そのため、看護助手が介助を行っている途中や病室に訪れた時など、急に患者が危機的状況に陥ってしまうという場面も多々あります。

やはり医療現場で働いている分、介護施設などで働く介護士に比べ、急変を目の当たりにする確率は高いと言えるでしょう。

看護助手の場合は医師や看護師が近くにいるので安心ですが、「いつ急変するか分からない」と常に神経を使うことに大変さを感じるかもしれません。

⑤スタッフが少ない

医療業界も介護業界も、基本的に人手不足であるところが多いです。

筆者の勤めていた病院も人手不足になってしまう時期が何度かあり、そのような時はひとりひとりの業務量や負担が多く大変でした。

特に病棟はある程度の人数がいても、日勤・夜勤・早番・遅番など各シフトにスタッフを配属しなければならないため、日によっては人手が足りないというケースもあります。

しかし人手が足りていない分、看護助手の需要は高く給料も年々増加傾向にあるので、「安定」という面では安心できるお仕事だと言えるでしょう。

看護助手の仕事で悩むこととは?

ここからは、看護助手の仕事で筆者やその周囲が「悩んだこと」について紹介していきます。

①コミュニケーションの難しさ

看護助手は、患者と接する機会がとても多いため、患者はもちろんその家族にも身近に感じてもらえる存在です。

感謝されることが多く、看護師には話せないようなことも「看護助手なら言える」と話してもらえたり、相談相手になったりすることもあり、これはやりがいを感じられるポイントの一つでしょう。

しかし中には、入院している不安や病気の影響で心を開いてくれない・口を聞いてくれない・暴言を吐いてくるといった患者もいるため、コミュニケーションの難しさを感じることがあります。

また、大きな不安を感じている患者に対してかける言葉のひとつひとつには注意しなければなりません。

ナイーブになってしまい、返答に困るような質問を投げかけられることもあります。

そのような場面でどうコミュニケーションをとればいいのか、その点に悩む看護助手は多かったですね。

②感染症に感染してしまうことがある

医療現場での院内感染やスタッフへの感染はなるべく避けたいものですが、日ごろから念入りに対策していても、患者を通じてなんらかの病気に感染してしまう可能性は無きにしも非ずです。

やはり病院で働いている分、ウイルスや菌に触れる機会は多くなってしまい、どれだけ感染対策をしていても感染してしまうことはあるので、その点は悩みどころでありました。

「インフルエンザ」や「ノロウイルス」などの流行性の病気や、接触感染してしまう皮膚の病気などには特に注意が必要です。

③看護師との関係に悩む人も

看護助手と最も接点の多いスタッフは、ずばり看護師でしょう。

業務内容の異なる両者が連携していかなければならないわけですが、中にはその関係性に悩む方もいましたね。

なかには看護助手に厳しい看護師もいらっしゃり、コミュニケーションが難しいこともあるのです。

しかし、看護師への伝達・連携不足があっては、患者に迷惑をかけてしまうかもしれません。

人の命を預かっている分、ピリピリしてしまうこともありますが、そのような状況でも看護師とうまくコミュニケーションを取れるよう、日頃から人間関係を築いておくことが大切です。