看護助手の1日の流れはどんな感じ?配属先別に紹介
看護助手の業務内容や1日の流れは配属先により大きく異なります。
求人に最も多いのはやはり”病棟勤務”ですが、手術室や中央材料室、外来やクリニックなどの求人もあり、どこを選べばいいのかお悩みの方も多いでしょう。
そこで今回は、医療施設で4年間看護助手経験のある筆者が、「看護助手の1日の流れ」について病棟、外来、手術室・中央材料室の3つの配属先別に紹介させていただきます。
「看護助手の仕事を始めたいけど、1日の流れが気になる…」
「希望の配属先に悩んでいる…」
という方は、是非参考にしてみてください。
なお、仕事内容やメリットについてはこちらで解説しています。
看護助手の1日の流れ:病棟編
ではまずはじめに、病棟で働く看護助手の1日の流れを紹介します。
8時30分:出勤・申し送り・朝食の下膳・中央材料室へ物品提出
出勤したらまずは病棟内の看護師・看護助手が全員集まって、夜勤スタッフからは夜間の情報、看護師長からは本日の流れや病院全体の連絡事項などが伝えられます。
前日の夕方~朝までに使用した器材があれば、滅菌のため中央材料室へ提出します。
9時00分:環境整備・オムツ交換・清拭・検査室への移送・入浴介助
環境整備(患者のベッド回りの清掃)が終わったら、オムツ交換と入浴介助でスタッフが二手に分かれます。
朝一番のオムツ交換時は陰部洗浄、清拭(体を拭くこと)も行う他、検査室への移送や患者のナースコール対応など他の業務もあります。1日の中で最も忙しい時間帯ですね。
11時:配茶
昼食用に、患者へお茶を配ります。
12時:配膳・食事介助・下膳・休憩
患者へ昼食の配膳をして、食事介助を行います。
この間に、交代で1時間の休憩を取ります。
13時30分:オムツ交換
2回目のオムツ交換です。
ポータブルトイレを利用している患者がいれば、その清掃・交換も行います。
14時:リネン交換・入浴介助・物品補充・器材確認・清掃など
吸引瓶(痰を吸うための機械)の交換をしたり、患者の部屋にオムツを補充したり、詰所の清掃をしたりと、介護業務以外の雑務が多いです。
午後の入浴介助やリネン交換のスケジュールは日によって異なるため、毎日ではありませんでしたね。
退院があればこの時間に病室の清掃も行います。
16時:オムツ交換・中央材料室で物品の受け取り
日勤帯で最後のオムツ交換です。夜勤スタッフへ迷惑のかからないよう、ベッド回りの状態をチェックしながら回っていましたね。
午前中に提出した器材を中央材料室スタッフが滅菌してくれているので、受け取りにいき所定の場所へ収納します。
17時:夜勤者への引継ぎ・退勤
病棟看護助手の1日の流れは基本的にこのような感じですが、看護師から指示を受けたり、ナースコールの対応をしたりしながら業務を行うためスムーズにいかないことも多いです。
患者の急変や入退院などの状況によっては、イレギュラーな仕事も発生するでしょう。
病棟で働く看護助手には、臨機応変な対応力や判断力が求められます。
看護助手の1日の流れ:外来編
次に、外来で働く看護助手の1日の流れをを紹介していきましょう。
8時30分:出勤・朝礼・診察室の環境整備・中央材料室へ器材の提出
外来勤務の看護助手は、朝礼からスタートします。
救急外来がある場合は夜勤スタッフからの申し送り、看護師長から連絡事項の伝達など内容は病棟とさほど変わりませんが、当日の予約状況のチェック、医師との情報共有などもあります。
9時:診療補助・検査室への案内
外来看護助手は、診療補助が主な仕事です。
検査室へ検体を運んだり、病棟や医事課にカルテを届けたりといった業務もあります。
12時30分:休憩
休憩時間は1時間ですが、その日の診察状況により休憩のタイミングは異なります。
13時30分:清掃・洗濯・器材確認・物品補充
診察室や詰所の清掃をして、診察室や検査室で使ったタオルなどの洗濯を行います。
14時30分:診察補助
筆者の勤めていた病院では14時から午後の診察が始まったので、午後も診療補助を行います。
16時30分:中央材料室で物品の受け取り・清掃
中央材料室へ滅菌済みの器材を受け取りにいき、詰所のゴミ捨てなど最終清掃を済ませます。
17時:退勤
以上のように、外来勤務の看護助手は診察補助がメインであり、介護業務はほとんどありません。
クリニックなどの看護助手も、このような感じではないでしょうか。
看護助手の1日の流れ:手術室・中央材料室編
最後に手術室・中央材料室で働く看護助手の1日ですが、当日の手術スケジュールにより大幅に変更するため仕事内容について紹介したいと思います。
まず、主な仕事内容は以下の通りです。
- 院内の医療器材の洗浄、滅菌、組立
- 衛生材料の作成
- 物品の管理
- 手術中の検体運送
- 手術後の清掃
- 手術衣の洗濯
- 病棟や外来の器材の受け渡し
他にも、手術時の看護師や医師のガウンテクニックの介助なども行います。
病院全体の医療器材や物品を管理しなければならないので、正確性が問われるでしょう。
上記から「病棟や外来に比べて仕事内容少なくない…?」と思われたかもしれませんが、器材を洗浄、滅菌するだけでもかなりの時間がかかりますし、取り扱う物品数がとても多いためフル稼働しなければなりません。
病棟・外来の看護助手のように患者と接する機会はありませんが、とにかく覚えることが多く、頭を使います。
手術室・中央材料室の看護助手は、黙々と作業したい方・正確性の高い方が向いていると言えるでしょう。
看護助手は配属先により仕事内容が異なる
以上、ひとことに「看護助手」と言ってもその仕事内容は配属先により大きく異なることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
看護助手と聞けば、病院で介護業務を行うイメージが強い方が多いですが、配属先によっては一切介護業務を行わない場合もあります。
筆者が思うに、コミュニケーション能力が高く介護業務が苦でない方なら病棟か外来勤務、黙々とした作業が得意で物覚えに自信がある方なら手術室・中央材料室での勤務が向いているでしょう。
同じ職種でも、業務内容を選べるのは看護助手のメリットだと感じています。
大きな病院に勤める場合は、面接前に希望の配属先を決めておくと良いでしょう。