特別養護老人ホームで働く:ユニット型特養と従来型特養の特徴
特別養護老人ホーム(特養)には、ユニット型特養と従来型特養の二つの主要な運営形態があります。それぞれの特徴を理解することで、入居者やその家族、そして働くスタッフが自分たちのニーズに合った特養を選択する手助けとなります。本記事では、ユニット型特養と従来型特養の特徴を詳しくご紹介します。
ユニット型特養の特徴
個別ケアの理念
ユニット型特養は、入居者一人ひとりの生活リズムに合わせた個別ケアを実践することを目指しています。これにより、入居者はより快適で自分らしい生活を送ることができます。
施設の構造
ユニット型特養では、入居者を10人程度の「ユニット」に分け、少人数の空間で過ごします。これにより、プライバシーが守られた個室やユニットごとのスケジュールが特徴となります。
建物の特徴
プライバシーに配慮した個室が中心となっており、ユニットと呼ばれるフロアが複数存在します。それぞれのユニットで個別ケアを行い、入居者にとって安心できる環境を提供しています。
スタッフの人数
従来型に比べてスタッフの人数が多く、ユニットごとに専任のスタッフが配置されます。これにより、より細やかなケアが可能となります。
利用料金
個室であるため、従来型の多床室に比べて居住費用は高めです。これにより、質の高い個別ケアが提供されています。
働くメリット
ユニット型特養で働くメリットには、入居者との深い関わり、判断力の向上、新しい施設で働けることが挙げられます。スタッフと入居者の距離が近く、密な関係を築くことができます。
働くデメリット
一方で、シフトの厳しさや他のスタッフに仕事を教えてもらいにくい環境、夜勤の負担がデメリットとして挙げられます。特に夜勤では、1人のスタッフが2ユニット(約20人の入居者)を見ることがあり、大変なこともあります。
従来型特養の特徴
居室の配置
従来型特養では、居室が特定の配置になっています。これは、ユニット型の概念が導入される前からの構造であり、施設全体で食堂や交流スペースなどが設置されています。
居室の種類
従来型特養には、1人で1部屋を使用する『個室』と複数人で1部屋を使用する『多床室』が存在します。多床室は、複数の入居者が同じ部屋で生活する形式です。
働くメリット
従来型特養で働くメリットには、入所者の状態について他の介護職員に相談しやすいことや、夜勤も複数の介護職員で対応するため安心感があることが挙げられます。
働くデメリット
一方で、設備の古さや多くの入所者を担当するため、個別ケアの視点での対応が難しいことがデメリットとして挙げられます。特に、古い建物では設備面での不便さが感じられることが多いです。
まとめ
ユニット型特養と従来型特養は、それぞれに異なる特徴とメリット、デメリットを持っています。ユニット型特養は個別ケアを重視し、少人数のユニットで生活する形式で、新しい建物が多く、スタッフの人数も多めです。しかし、利用料金が高く、シフトが厳しいことがデメリットです。
一方、従来型特養は集団ケアを中心とした形態で、多床室が中心となっています。建物は比較的古く、スタッフの人数は一般的です。従来型特養のメリットには、他のスタッフと相談しやすいことや夜勤の安心感がありますが、設備の古さや個別ケアの難しさがデメリットです。
これらの違いを理解し、自分や家族のニーズに合った特養を選ぶことで、より良い介護生活を送ることができます。